チェッカーくん

アストルティア時計
現在の深淵の咎人

現在の防衛軍

2018年8月30日木曜日

「よーすぴ」から「青山さぁぁぁん」へ…プロデューサー交代のもう一つの目的

既にご存知かと思いますが、DQXのプロデューサーが「よーすぴ」こと齊藤 陽介氏から、青山 公士氏に交代となりました。

交代の理由については「開発・運営だより -第44号-」でも詳しく語られて居ますが、他には夏祭りの会場や、電ファミニコゲーマーの対談記事の中で…
でもCTOというのは天才肌の人がやるところで、青山さんは天才肌のスペシャリストというよりゼネラリストだと思ったから。
という理由も語ってます。簡単に言えば技術系だけを専門にやるだけじゃなく、総合的な能力が発揮できる人だ、という事ですね…あ、余談ですがこの対談記事は長いですけど読み応えあるし、DQXについても凄く語られてるのでお時間ある時に一読されることをオススメします。

参考:スクウェアは貴族でエニックスはヴァイキング? 人たらしでヒットに導く齊藤Pに見る“優秀なゲームプロデューサー”【齊藤陽介×藤澤仁×ヨコオタロウ×安藤武博:座談会】

で、ここまでが表向きな話。もちろん裏向きな話は語られていませんのであくまで憶測ですが…実は青山さんでないといけないもう一つ大きな目的があると思っています。

みなさん、DQXを遊んでいると「サーバー」という言葉は流石にご存知だと思います。サーバーってのは一般的に言えば特殊な用途のコンピューターです。DQXではそのサーバーを沢山用意して、それぞれが皆さんのゲームプレイを処理しているわけです。

このDQXのサーバー一覧をご覧になった事がある方は多いと思います。わかりやすく言うとこのひとつひとつが1台のコンピューターなんです。なのでDQXでは1~40までと、特殊用途で合計63台のコンピューターがあると思って下さい。
※実際には一つで1台のコンピューターというわけではありませんが、そうイメージしておけばわかり易いと思います。

DQXは2012年にオラクルという会社の「Oracle Exadata」というサーバーでサービスを開始し、更に2015年に「Oracle Exadata X4」にアップグレードしました。
(それによってバザーの統合等も実現出来たと語られてます)

参考:スクウェア・エニックス、オンラインゲームのIT基盤にOracle Exadata を導入
参考:スクエニ、ドラクエXのDB基盤をOracle Exadataのアップグレードで刷新

このExadataってのはかなり高性能で高価なサーバーで、よーすぴ曰く
「これ銀行とかで使ってるやつだからね!?」「買うとき、何だろう……一晩泣いた」
とも語っていたくらいのシロモノだったりします。

参考:【サーバー】 - DQ10大辞典を作ろうぜ!!第二版 Wiki*

さて、問題はこのサーバーです。昨年6月14日から今年3月22日まで、サーバー機器の交換のメンテナンスがあったことは記憶に新しいかと思います。当たり前ですがサーバーはコンピューターです。物理的な機械です。故障もすればメンテナンスも必要です。そういった保守・維持といったコストはなかなか馬鹿に出来ません。

またExadataのようなサーバーは高価であるのでおいそれと追加も出来ません。能力アップも難しいです。つまり柔軟な運用が出来ないのです。

例えば今後5パーティ、20人で同時に戦闘!とかやろうにも処理が追いつかないという事もあるかもしれませんし、持ち物枠を増やそうとしてもサーバーの追加が出来ないとおいそれと枠も増やせません。例えば利用者100万人居たら10個増えるだけで1000万個データが増えるわけですしね。

そういう事に対応するために性能アップすることをスケールと言います。
データベースの性能を向上させるための手法には、大きく分けて「スケールアップ」と「スケールアウト」の2つがあります。「スケールアップ」とは、データベースが動作しているサーバーの単体性能を向上させることです。具体的には、メモリを追加する、CPU を追加する、 ストレージをSSD に交換する、という手段が考えられます。一方「スケールアウト」とは、サーバーの数を増やすことで性能向上を狙うものです。
参考:そのデータベース、"上手に" スケールアウトしますか?

そういう柔軟な運用をするために、最近の主流は物理的なサーバーではなく、クラウドサーバーを利用するという手法が一般的になりつつあります。その利点は前述のスケールアップやスケールアウトが簡単という事です。先程の例で言えば20人戦闘はスケールアップ、持ち物枠追加はスケールアウトが必要な事例と言えます。

クラウドサーバーは有名なところではAmazonのAWS、マイクロソフトのAzure、GoogleのGoogle Cloud Platform(GCP)というサービスがあります。これらのサービスは既に大手の会社もネットサービスで利用していますが、その理由はやはり柔軟な運用が可能であるというところも大きいと思います。

現在DQXが使っているExadata自体、先を見据えると何年持つかという事やメンテナンスの問題がつきものになりますが、そういう物理的な問題を心配しなくて良くなるという利点もまたクラウドサーバーの良さでもあります。

また、これはあまり考えたくないのですが…将来においてDQXの利用者がもっと減っていく事だって考えられます。そんな中で例えば10万人しか利用してないのに今と同じ規模の機械を維持し、運用していくことは素人目で見ても負担が大きくなります。負担が大きいということはイコール、サービス終了だって考えなければいけません。

ところが先程のスケール、逆に減らすという方向性も可能です。見た目は今と同じサーバー40まであるように見せつつ、利用者の少ない状態であれば実際に動かすサーバーを減らす、といった運用も可能です。
(もちろん利用者的には何も違いは感じない)

スクエニから見た時に、利用者が減少してもサーバー運用のコストが下げられるならサービスを続けても良いか、という考えになりやすいわけですし、そういう方向性でも柔軟な運用が出来るということはメリットが大きいのです。

実際既にDQXではAmazonのAWSを一部利用していまして…それは写真の画像処理で使っています。

参考:AWS 導入事例:株式会社スクウェア・エニックス

この事例では
通常は 1 分間に 2 ~ 300 枚程度の処理数ですが、大晦日イベントの際には 1 分間に 6000 枚にまで増えてしまいます。
と語られてるように、大晦日の為だけに物理的なサーバーを増やすわけにいかないので、その時だけ同時に処理出来るサーバーを増やす(スケールアウト)という利用が可能なクラウドサーバーであるAWSを画像処理で利用している、というわけです。

このように、急にアクセス増えても耐えられて、人が減れば少なく出来る…こういう事が出来るの利点を最大限活用してるわけです。

さて、前置きが長くなりましたが…とはいえ現在の「Oracle Exadata X4」からクラウドサーバーへの変更は容易ではありません。また当然ですがお金の問題も出てきます。その時にサーバー運用の技術面に明るい人がお金を握っていると話が凄くスムーズになります。

…そう、まさにそこで青山さんなわけです。

つまり、よーすぴから青山さんへのプロデューサー交代は表向きの理由が一番大きいでしょうけど、将来的なサーバー運用変更を見据えてるのも理由ではないかと思うわけです。

スクエニとしてもDQXを出来るだけ長くサービス継続させたいと思っているハズですし、そのへんまで見据えた時にサーバー運用変更はおそらく避けては通れません。プレイヤーには見えない部分ですが、スクエニとしてもしっかり考えているというのが今回の交代劇のもう一つの目的だろうと思うわけです。

さぁ、この読みが当たるかどうか…それはそう遠くない未来にわかります。


ドラゴンクエストXランキング
※クリックは1日1回だけ有効です