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2018年8月18日土曜日

「スライム」のおはなし

今回はDQXとは直接関係無いのですが、ドラゴンクエストといえば切っても切り離せないスライムのお話。

※今回のお話は諸説あるところもあります。だいたいこういう事なんだなーくらいで捉えて頂けるとありがたいです。また参考資料として過去に私が纏めたものを利用しています。


そもそもスライムって?

スライムというのはもともと「どろどろヌルヌルした物質」を指す単語で、そこからイメージされたモンスターが空想物として創造されていました。

それら色々なイメージだったスライムを一定のスタイルに定義付けたのがテーブルトークRPGと呼ばれる、古くから遊ばれてる紙やサイコロ等を使って遊んでいたごっこ遊び的な(コンピュータを使うものでない)ゲームの代表格である「ダンジョンズ・アンド・ドラゴンズ」(以下、D&D)でした。

D&Dで定義されたスライムは、洞窟や迷宮など、暗く湿った閉鎖空間に生息し、その粘液状の姿から遭遇すると厄介で、剣や棍棒などの物理攻撃が効かず、倒すのに苦労するというかなり強敵なモンスターでした。

その後、玩具会社からもスライムという名前の玩具が発売されたこともあり、一般的にもその姿や名前が認知されるようになりました。



しかしながら依然として、その姿かたちから不気味で、厄介で、恐ろしいものとして認知されていました。

変化していくスライム

そんなスライムが変化したのはコンピュータRPG初期の名作と言われている「ウィザードリィ」です。ここでまずスライムは物理攻撃で倒せるザコになってしまいます。これがおそらく最大の転機であったのではないかと思われます。



そしてそのスタイルは「ドルアーガの塔」というゲームでかなり確定的になります。ドルアーガではとうとう最弱のモンスターとなります。



ただ、ここまでは未だにD&Dで定義されたうち「暗く湿った閉鎖空間に生息」という姿は辛うじて残されました。ウィザードリィは地下迷宮を冒険するゲームですし、ドルアーガは60階建ての塔の中が冒険の舞台でした。

しかし、そんな最後の一線を越えてしまうゲームが現れます。それが「ハイドライド」です。



このゲームではとうとうスライムは太陽の下、明るい草原に現れます。そしてハイドライドはドルアーガを参考にした結果、ほぼ最弱というポジションはそのままに、最後に残った「暗く湿った閉鎖空間に生息」というアイデンティティーすら失ってしまいます(笑)

そして伝説へ…

ここまでの経緯で、D&Dやウィザードリィは世界的にも有名でしたが一般にまで浸透していたかといえばそうでもなく、ドルアーガで少し一般に浸透し、ハイドライドも当時のパソコンユーザーでは有名でしたが日本で広く知られていたか…とまで行くとなかなか判断が難しいところでした。

しかしそれらを受けた1986年、「ドラゴンクエスト」が発売となります。



ドラクエはファミコンという国民的ゲームハードの勢いもあって日本でも広くその名前が広がって行きました。

結果、スライムは草原でニッコリ笑っている最弱のモンスターというイメージが出来上がります(笑)DQXプレイヤーに限らず、ドラクエを知る多くの人が抱いてるスライムのイメージとは既にオリジナルから遠く離れた場所にたどり着いた、似て非なるものとなってしまっているわけです(笑)



スライムは今やあまりにも有名になったので、その存在が「当たり前」になりがちですが、辿ってみると意外なルーツや変遷があるものです。こういったのを探ってみるのもまた一つの楽しさかもしれませんね。

機会があれば次はまた違うネタを扱ってみたいと思います。




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